恋するアニタと敗北するワタシ

ohアニタ

80年代を彩ったメドレー特集が流れる喫茶店で、哀愁を漂わせている私。

こんちくしょう。

ロックンロールもありゃしねぇ。

ビートルズが来日しようが歓喜しねぇ。

 

最初に打っていた海物語夜桜超旋風221番を返せ。返せ、クソジジイ。

なぁなが65連だ。その台は、朝イチにタクシー使ってまで確保した台だぞ。

 

じゃあなんで離れたんだよ、マイソウル。

信じなかったお前の責任だろ。

 

過去に縛られて、俯くなんてらしくないぜ。

oh..魂だけはロックでいなきゃな…。

泡銭、くれてやるよ。

 

チクショウーーーーー!!!! 

 

パチ友の70代おぢ

そのおぢは毎日昼ごろになるとお店にやってくる。

私と同じく「Pスーパー海物語IN沖縄5夜桜超旋風」が好きらしい。

 

2023年12月頃からだろうか。

茶色の背広を着た常連さんがいるなぁとは思っていた。

毎日パチンコ屋へ通っていれば、常連さんの顔やその人の打つ台は覚える。

隣同士で打つことも多かったが、出会いであるマイホ1(よく通う店)が年明けから当たりが厳しくなってきて、新しい店を探すことにした。

そこで現在はマイホ1から徒歩5分に位置するマイホ2へ通うようになった。

ここは過度な大当たりは出ないものの、適度に課金すれば相応に返ってくるので極端なマイナスにならないのが気に入った。

尚、トイレは異様に臭い。

 

そこで一ヶ月ほど経過した。

その日は朝一番で期待出来る台を打っていたが、なかなか当たらず不貞腐れていた。

すると、あの背広おぢもやってきた。

 

「ほんほん。マイホ1が調子悪いから近所のここに来たのだな。考えることは一緒か…」

 

その時は話しかけずに、おぢが当たればいいなと思っていた。(あんまり当たってなかったけど)

それが何度か続いて、やっとこさ話しかけてみた。

 

「おいちゃん、最近よく会うね」

「せやなぁ」

 

なんと。向こうも覚えてくれていたらしい。

ちょっぴり会話したかったので、話を続けた。

 

「最近マイホ1の海、全然当たらへんよなぁ」

「ホンマやで。今日も見てきたけどゼロや!この時間で当たりゼロやで」

「マジでか」

「マジや」

 

互いに健闘を祈り、台に座った。

 

目を見て話してくれなかったおぢは人見知りなんだと思う。

その後も顔を合わせればこちらはラフに手を振るのだけど、お辞儀されてしまう。

失礼なので、こちらもお辞儀していた。

 

最近になってようやく手を振ってくれるようになった。

 

「ねぇちゃん、よぉそんな金あんな」

「ないよ。今月ボロ負けや」

「アホ言うな。おじちゃん今月20万負けや」

 

だいたい同じくらい負けてるの笑えた。

おぢは軍資金がなくなると1円パチンコで増やしてから、4円に戻ってくるらしい。

真のパチンカス感がある。

 

言葉もハッキリ話すし、身なりも綺麗なので、

50代くらいかと思っていたら70代だと教えてくれた。全然見えなくて驚いた。

向こうは向こうで私を未成年だと思っていたらしく、26歳だと告げると「働け!」と言われた。

ごもっともである。

 

私はこの関係が嫌いじゃない。

名前も住所も職業もこれまでの人生も何も知らないけど、ちょっと笑って世間話する。

トモダチ、の新しい形。パチ友。

 

これからも共に奮闘しような。

 

女はなぜ、パチンカスの道を選んだのか

うつ病です」

医者から告げられても、驚きはなかった。

ついでにADHDも発覚して「そりゃ社会でうまくやれないよな」と妙に納得した。

免罪符にするわけではないけど、常日頃マジョリティからズレた言動をしていたので浮くのも無理はない。

漠然と社会への恐怖が増幅していった。

“自分はどこへ行ってもダメなんだ”

そんな気持ちばかりに支配され、居場所探しにも疲れていた。

だいたい大人数が集うとトラブルが起こる。

何故だか相談係になって、巻き込まれるのがお決まりルーチンになっている。

仕事でもないのに何をそんなにグチグチ言う必要があるのだろうと思うけれども、苦悩はそれぞれだしと思って黙って聞いていると珈琲が冷めて不味くなる。

その間、絶え間なく続く噂話によって三割増で不味くなる珈琲。

もはやマスターへの冒涜である。

 

集団行動きらい

噂、ネチネチきらい

社会の暗黙のルールきらい

満員電車きらい

会議きらい

横文字使う文化きらい

定時に同じ場所へ行くのきらい

社員のこと「仲間」っていう組織きらい

無駄に意識高いベンチャー企業きらい

ビジネス啓発本を勧めてくる人きらい

 

沢山の「きらい」があって、これまではお賃金の為には我慢しなきゃいけないと思っていたけど、嫌いは嫌い。ストレスで顎関節症にもなる。そんなの人権ない!

開き直って全部避けてみようと思った。

その結果「パチンコで稼ぐ」にいきついた。

これまで長々と書いた全ての事象となんら関係性が見出せないパチンコである。

 

一つ

勤務時間自由。打ちたい時に打てば良い,

二つ

他人と関わらなくていい。己との戦い。

三つ

ギャンブルで生計を立てるって昭和のワルみたいでカッコいい。

 

以上がパチンコを選んだ理由だ。

初めて行ったパチンコ屋で大勝ちしたとか、そんなエピソードはない。(むしろ負けた)

 

三ヶ月と少し続けて気づいたことがある。

「パチンコは人生の縮図である」

例えば自分の調子が良い時は多少他人が横暴でも許せる。台をバンバンしてるご老人にも慈悲の心で無視。

それが負けが続くと当たっている人間全員が羨ましく思えて「なんで自分だけ…」という気持ちになる。その人はもしかしたら昨日20万円負けているかもしれないのに、目先の利益だけを羨ましがる。浅ましい心を知ることが出来る。

隣の芝生は青い。まさしくこのことだ。

他者を妬み、己を卑下してはいけない。

悟りを得るのである。

「今この不遇は一時のものであり、いづれ必ず好機が訪れる」

強いメンタルがないとギャンブル一本で食べていくことは相当に難しい。

巷には「必勝法」などを謳う連中もいるが、そんなものはない。ほんのばかり勝率を上げることは出来ても、最後は「根気」がものを言う。

ひたすらぶん回して当たるまでやる。なかなか気が狂っていて最高だ。

今、人生で最もメンタルが強い。

メンタルクリニックでカウンセリングや処方薬により整えていても一向に治らなかった弱々しいメンタルがパチンコによって鍛えられている。

 

そんなこんなでほぼ修行に近い毎日を送っている。

毎日通っていると顔見知りの同志も出来た。

友達が少ない人生で、気軽に話せる人は貴重だ。

少ない年金をパチンコにぶち込んでしまうおじいちゃんがいる。奥さんがお亡くなりになってから、暇で通うようになったらしい。

最近転んで左腕を骨折をしたと話していて、すごく心配だが姿を見ない。健康でいて欲しい。

こういった感情も普段なかなか感じられないので、新鮮だ。

 

社会に復帰できるまで、蔑まれようとも私はパチンカスでいるのだ。

 

今日もPOPに希死念慮♪を書いてみたよ⭐︎

「しにたい」

この感情は、例えるなら「家がお隣というだけで対して好きでもないけど、幼稚園からの腐れ縁のアイツ」くらい身近な存在。

そこにずっとあって、存在を疑ったこともないけど別にいなくてもいい。

この感情は「生きたい」と「死にたい」の二者択一の中で発生するものではない。

知ってる人は知ってる。いわば最終奥義的なもの。

ありとあらゆることを考えて、挑戦を続けた結果「生きるのがめんどくさいから死にたい」まで飛ぶ。

人類の皆々様が作り上げてくれた平和な世の中で、自ら死のうなんて大変おこがましく思いますんで、しゃーなし息をするんです。

それをなんだ。やれメンヘラだー、精神疾患だーって。うっせ!ほっとけ!

目の前にめっちゃ美味そうなラーメンあったら、普通の人間食うだろ。

それくらいの感覚でこの気持ちと向き合ってんだわ🖐️

私が初めて明確に「死にたい」と思ったのは、小学生の頃だったと思う。

両親の顔色を伺うのに疲れて、学校ではルールに縛られて、トモダチも居ない。

薬箱を漁って目についた薬(おそらく下剤)を一箱分、飲んでみたけど何事もなかった。

翌朝学校へ行く羽目になってガッカリした記憶がある。

この感情とは随分と長い付き合いになってしまった。

そんな時はこうやって文章を書くようにしてる。

馬鹿騒ぎしたり、お酒を飲んでも「なんだこの時間」って妙に冷静になってしまうタイプなので、これしか暇つぶしの道具がない。

書いてるうちに痛みがほんの少しだけ和らいでくれて、一呼吸おくと「うんうん、明日くらいは乗り切ってみてもいいんじゃなーい?」と思えたり、思えなかったり。

 

今は一時間先のことも分からないし、考えられないけども、いつか小さな事でもいいから目標とか見つけられたらなぁ。

頑張らなきゃ、じゃなくて

楽しいって思えることに出会えたら、それはすごく良い人生だよね。